はじめに
チームのドキュメント管理って、地味に悩ましいテーマですよね。
NotionやConfluenceは確かに便利です。でも、チームの人数が増えてくると月額費用がそれなりにかかるし、機密性の高い情報を外部サービスに置くのはちょっと気になる。かといって、社内Wikiを一から構築するのは正直めんどくさい。
そこで今回紹介するのがDocmost。これ、NotionやConfluenceの代わりになるオープンソースのドキュメント管理ツールなんです。
GitHubスターは18,000を超えていて、直近1年で急成長しているプロジェクト。AirbusやRed Crossといった組織でも使われているらしく、かなり実用的なレベルに達しています。
Docmostとは
Docmostは「Enterprise-ready Wiki for Modern Teams」を掲げるセルフホスト型のドキュメント管理プラットフォームです。
要するに、自分のサーバー上でNotionやConfluenceと同じような体験ができるという話。しかもオープンソースで、基本機能は無料で使えます。
TypeScriptで書かれていて、技術スタック的にも現代的。リアルタイム共同編集、図表作成、フル機能の権限管理など、チームでナレッジを共有するのに必要な機能は一通り揃っています。
特徴・メリット
リアルタイム共同編集
正直なところ、これがNotionやConfluenceを使う一番の理由ですよね。Docmostもここはしっかりサポートしていて、複数人が同時に同じドキュメントを編集できます。ライブカーソルも表示されるので、誰がどこを編集しているか一目でわかります。
図表作成が強力
個人的に刺さったのがこれ。Draw.io、Excalidraw、Mermaidの3つのダイアグラムツールが統合されています。
- Draw.io: フローチャートや構成図をGUIで作成
- Excalidraw: 手書き風のラフなダイアグラム
- Mermaid: コードベースで図を生成
エンジニアならMermaidで書けるし、非エンジニアにはDraw.ioを使ってもらえばいい。チームの多様なニーズに対応できるのは地味にありがたい。
権限管理が細かい
スペース単位でのアクセス制御、ユーザーグループの設定、ページ単位での権限設定など、企業で使うのに必要な機能が揃っています。RBAC(ロールベースアクセス制御)に対応していて、誰が何を見られるかをしっかり管理できます。
エンタープライズ向け認証
SAML 2.0、OpenID Connect、LDAP統合に対応。社内のActive DirectoryやOktaと連携できるので、大きめの組織でも導入しやすいです。多要素認証(MFA)もサポート。
検索が速い
フルテキスト検索に対応していて、PDF やDOCXなどの添付ファイルの中身まで検索できます。ドキュメントが増えてくると検索性能って本当に大事なので、ここがしっかりしているのは安心感があります。
コスパが良い
セルフホストなので、サーバー代だけで運用できます。Confluenceの有料プランは1ユーザーあたり月額600円くらいかかりますが、Docmostなら月額1,000〜2,000円程度のVPSで10人くらいは余裕で使えます。コスパ的にかなり優秀。
インストール方法
Dockerを使ったインストールが推奨されています。Docker Composeで一発起動できるので、サーバー管理に慣れている人なら10分もかかりません。
前提条件
- Docker & Docker Compose
- PostgreSQL(Docker Composeに含まれる)
- Redis(Docker Composeに含まれる)
Docker Composeでの起動
# 作業ディレクトリを作成
mkdir docmost && cd docmost
# docker-compose.ymlを作成
curl -O https://raw.githubusercontent.com/docmost/docmost/main/docker-compose.yml
# 環境変数ファイルを作成
curl -O https://raw.githubusercontent.com/docmost/docmost/main/.env.example
mv .env.example .env
# 環境変数を編集
nano .env
.envファイルで設定が必要な項目:
# アプリケーションのURL
APP_URL=http://localhost:3000
# セキュリティ用のシークレットキー(ランダムな文字列を設定)
APP_SECRET=your-super-secret-key-here
# データベース接続情報
DATABASE_URL=postgresql://docmost:password@db:5432/docmost
設定が完了したら起動:
docker compose up -d
これで http://localhost:3000 にアクセスすれば、初期設定画面が表示されます。
推奨スペック
- CPU: 2コア以上
- メモリ: 2GB以上(4GB推奨)
- ストレージ: 20GB以上
小規模チームなら、月額1,000円程度のVPSで十分動きます。
基本的な使い方
1. 初期設定
ブラウザでDocmostにアクセスすると、まず管理者アカウントの作成を求められます。メールアドレスとパスワードを設定して、ワークスペース名を決めればOK。
2. スペースの作成
Docmostでは「スペース」という単位でドキュメントを整理します。プロジェクトごと、チームごとにスペースを分けるのが一般的な使い方。
サイドバー → 「+ New Space」→ スペース名を入力
スペースごとにアクセス権限を設定できるので、「開発チーム用」「全社共有用」「経営会議用」みたいに分けておくと管理しやすいです。
3. ページの作成
スペース内で「+ New Page」をクリックしてドキュメントを作成します。エディタはNotionライクなブロックエディタで、スラッシュコマンド(/)でブロックを挿入できます。
使えるブロックの例:
- 見出し(H1、H2、H3)
- 箇条書き・番号リスト
- チェックボックス
- コードブロック(シンタックスハイライト対応)
- テーブル
- 画像・動画埋め込み
- Draw.io / Excalidraw / Mermaidダイアグラム
- Airtable、Loom、Miro等の外部コンテンツ
4. 共同編集
ページを開いているだけで、同時にアクセスしている人のカーソルが表示されます。コメント機能もあるので、レビューやフィードバックのやり取りもドキュメント上で完結できます。
5. ユーザーの招待
Settings → Members → Invite Members
メールアドレスを入力して招待を送信。ロール(Admin / Member / Guest)を設定できます。
実践的なユースケース
社内Wikiとして
これが一番スタンダードな使い方ですね。オンボーディング資料、業務マニュアル、FAQ、議事録など、社内ナレッジを集約する場所として使えます。検索性が高いので、「あの資料どこだっけ」問題が解決します。
技術ドキュメント管理
エンジニアチームのドキュメント管理に特に向いています。Mermaidでシーケンス図やER図を書けるし、コードブロックのシンタックスハイライトもちゃんとしてる。APIドキュメント、アーキテクチャ決定記録(ADR)、ポストモーテムなんかを整理するのに最適。
プロジェクト管理の補助
Notionほどデータベース機能は強くないですが、プロジェクトのドキュメント管理には十分使えます。要件定義書、設計書、テスト仕様書をまとめておいて、JiraやLinearと併用するパターン。
機密性の高い情報管理
セルフホストできるので、社外に出せない情報の管理に向いています。ITAR、FedRAMP、GDPRといったコンプライアンス要件がある組織でも、オンプレミス展開で対応可能。
NotionやConfluenceとの比較
正直なところ、機能面ではNotionやConfluenceに及ばない部分もあります。
Docmostの強み:
- セルフホストでデータを自社管理
- ランニングコストが安い
- 基本機能はオープンソースで無料
- エンタープライズ認証に対応
NotionやConfluenceの強み:
- データベース機能が強力(特にNotion)
- サードパーティ連携が豊富
- サポートやSLAがしっかりしている
- セットアップ不要ですぐ使える
個人的には、「機密性重視」か「コスト重視」ならDocmost、「機能重視」か「管理工数を減らしたい」ならNotionやConfluenceという使い分けになると思います。
注意点
サーバー管理は自己責任
セルフホスト型なので、サーバーのセキュリティ設定、バックアップ、アップデートは自分で管理する必要があります。インフラに詳しい人がチームにいないと、ちょっと大変かもしれません。
エンタープライズ機能は有料
SAML/OIDC連携、監査ログ、高度な権限管理などのエンタープライズ機能は、別途ライセンスが必要です。基本機能だけなら無料ですが、大きめの組織で使う場合は有料プランを検討することになります。
まとめ
Docmostは「自前サーバーでNotionやConfluenceの体験を」という選択肢を提供してくれるツールです。
- オープンソースでセルフホスト可能
- リアルタイム共同編集、図表作成、権限管理が充実
- エンタープライズ認証(SAML、OIDC、LDAP)に対応
- コスパ良くチームのナレッジ管理ができる
1.5M以上のダウンロード実績があり、開発も活発なので、今後の機能拡充にも期待できます。
「Confluenceの料金が高い」「機密情報を外部サービスに置きたくない」「社内Wikiを現代的なUIで運用したい」という方は、一度試してみる価値があると思います。
公式サイト: https://docmost.com GitHub: https://github.com/docmost/docmost
