はじめに
個人的に、開発環境の「脱クラウド依存」って結構気になるテーマなんですよね。
Vercel、Heroku、Netlifyは確かに便利です。Git pushするだけでデプロイできるし、SSL証明書も勝手に設定してくれる。でも、プロジェクトが増えてくると月額料金がじわじわ効いてくるし、ベンダーロックインも気になってくる。
そこで今回紹介するのがCoolify。これ、自前のサーバーでVercelやHerokuと同じような開発体験を実現できるオープンソースのPaaS(Platform as a Service)なんです。
GitHubスターは48,000を超えていて、かなり活発に開発が進んでいるプロジェクトです。
Coolifyとは
Coolifyは「Self-hosting with superpowers」をコンセプトにした、セルフホスト型のデプロイメントプラットフォームです。
要するに、自分が持っているVPSやベアメタルサーバー、なんならRaspberry Piでも、Vercel級のデプロイ環境を構築できるという話。しかもオープンソースで無料。
対応しているサービスは280種類以上。PostgreSQL、MySQL、Redis、MongoDBといったデータベースはもちろん、Next.js、Laravel、Django、Railsなど主要なフレームワークは大体カバーしています。
特徴・メリット
ベンダーロックインからの解放
正直なところ、これが一番大きいですね。Coolifyで設定した内容はすべて自分のサーバーに保存されます。万が一Coolifyのサービスが終了しても、Dockerコンテナとして動いているアプリはそのまま動き続けます。
コスパが良い
月額2,000〜3,000円程度のVPSを借りれば、複数のプロジェクトを運用できます。Vercelの有料プランを複数契約するよりも圧倒的にコスパが良い。30代になって思うのは、固定費の最適化って本当に大事だなということ。
自動SSL証明書
Let's Encryptと連携していて、SSL証明書の発行・更新が全自動。これ、意外と手間がかかる作業なので地味にありがたいんですよね。
Git連携でCI/CD
GitHub、GitLab、Bitbucket、Giteaに対応。Webhookを設定すれば、pushするだけで自動デプロイ。PRごとにプレビュー環境を作る機能もあります。
データベースバックアップ
S3互換ストレージへの自動バックアップ機能付き。AWS S3だけでなく、MinioやCloudflare R2にも対応しています。
インストール方法
インストールは驚くほど簡単です。SSHでサーバーに接続して、以下のコマンドを実行するだけ。
curl -fsSL https://cdn.coollabs.io/coolify/install.sh | bash
これだけで、Dockerのインストールから各種設定まで全部やってくれます。時短になるのは間違いない。
推奨スペック
- OS: Ubuntu 22.04以降(推奨)
- CPU: 2コア以上
- メモリ: 2GB以上(4GB推奨)
- ストレージ: 30GB以上
個人的にはConoHa VPSやさくらのVPSあたりの月額1,000円台のプランでも十分動きます。
基本的な使い方
1. 初期設定
インストール完了後、ブラウザで http://サーバーIP:8000 にアクセスします。初回アクセス時に管理者アカウントを作成。
2. サーバーの追加
ダッシュボードから「Servers」→「Add Server」でサーバーを追加します。ローカルホスト(Coolifyが動いているサーバー自体)を使う場合は、設定はほぼ自動で完了します。
3. プロジェクトの作成
Projects → New Project → 任意のプロジェクト名を入力
4. アプリケーションのデプロイ
例えば、Next.jsアプリをデプロイする場合:
- 「New Resource」→「Application」を選択
- GitHubリポジトリを連携
- リポジトリとブランチを選択
- ビルド設定を確認(Next.jsなら自動検出される)
- 「Deploy」をクリック
これだけです。Dockerfileがあれば自動で検出してビルドしてくれますし、なくてもNixpacksが自動でビルド設定を生成してくれます。
5. 環境変数の設定
ダッシュボードから環境変数を設定できます。.envファイルをコピペで一括設定することも可能。
DATABASE_URL=postgresql://user:pass@localhost:5432/mydb
NEXT_PUBLIC_API_URL=https://api.example.com
6. ドメインの設定
「Domains」セクションでカスタムドメインを追加。DNS設定でAレコードをサーバーIPに向ければ、自動でSSL証明書が発行されます。
実践的なユースケース
個人開発のポートフォリオサイト
これは一択ですね。VPSを1台借りて、ブログ、ポートフォリオ、個人プロジェクトを全部まとめて運用できます。Vercelの無料枠を気にする必要もなくなります。
社内ツールのホスティング
n8n、Metabase、Grafanaなど、280以上のサービスがワンクリックでデプロイ可能。社内向けツールを外部サービスに依存せず運用したい場合に最適です。
ステージング環境の構築
本番環境はAWSやGCPで運用しつつ、開発・ステージング環境だけCoolifyで管理するというパターン。PRごとにプレビューURLが発行されるので、レビューがめちゃくちゃ楽になります。
学習・検証環境
新しい技術を試したいとき、ローカルではなく実際のサーバー環境で動かしたいことってありますよね。Coolifyなら、試して壊して、すぐ作り直せます。
注意点
良いことばかり書いてきましたが、正直なところ注意点もあります。
サーバー管理の知識は必要
完全なマネージドサービスではないので、サーバーのセキュリティ設定やディスク容量の管理は自分でやる必要があります。とはいえ、Coolifyのダッシュボードからサーバーのメトリクスは確認できるので、そこまで大変ではないです。
高可用性は自分で設計
CoolifyはシングルサーバーでもDocker Swarmでの複数サーバー構成にも対応していますが、ロードバランサーやフェイルオーバーの設計は自分で考える必要があります。
まとめ
Coolifyは「自分のサーバーでVercel級の開発体験を」という夢を実現してくれるツールです。
- セルフホストで月額費用を抑えられる
- ベンダーロックインを回避できる
- 280以上のサービスがワンクリックでデプロイ可能
- SSL証明書、バックアップ、CI/CDが全部込み
個人開発者や小規模チームにとって、QOL上がること間違いなしです。
まずは余っているVPSやRaspberry Piで試してみてください。インストールは5分で終わりますし、ダメならすぐアンインストールできます。
公式サイト: https://coolify.io GitHub: https://github.com/coollabsio/coolify