はじめに
正直なところ、AIの進化スピードには驚かされっぱなしなんですよね。
ChatGPTが出てきたと思ったら、今度はAIエージェントだ、RAGだと、次から次へと新しい概念が出てくる。興味はあるけど、LangChainのコードを一から書くのはハードルが高い。そんなことを思っていたら、いいツールを見つけました。
それがFlowise。ドラッグ&ドロップでAIエージェントを構築できる、オープンソースのプラットフォームです。
GitHubスターは47,000を超えていて、かなり活発に開発されています。これ、個人的にはかなり注目しています。
Flowiseとは
Flowiseは「Build AI Agents, Visually」をコンセプトにした、ノーコード/ローコードのAIエージェント構築プラットフォームです。
要するに、複雑なLLMのワークフローを、GUIでポチポチ繋いでいくだけで作れるという話。LangChainやLlamaIndexのコードを書かなくても、視覚的にAIアプリケーションを組み立てられます。
対応しているLLMは100種類以上。OpenAI、Anthropic、Google、Azure、Ollamaなど主要なものは大体カバーしています。ベクトルDBもPinecone、Weaviate、Qdrant、Chromaなど選び放題。
特徴・メリット
ノーコードでAIエージェントが作れる
これが一番大きいですね。ノードをドラッグして繋げていくだけで、複雑なAIワークフローが完成します。
プロンプトエンジニアリングを試したい、RAGを実装したい、でもコードを書く時間がない。そんな人には一択です。
マルチエージェント対応
単一のチャットボットだけでなく、複数のAIエージェントを協調させるマルチエージェントシステムも構築できます。タスクを分散させて、より複雑な処理を実現できる。
これ、意外とできるツールが少ないんですよね。
Human in the Loop
AIに全部任せるのは不安、という場面もあります。Flowiseには、エージェントの実行途中で人間がレビュー・承認できる機能が組み込まれています。本番環境で使うときには安心感があります。
セルフホスト可能
Flowise Cloudというマネージドサービスもありますが、オープンソースなので自前のサーバーで動かすこともできます。機密性の高いデータを扱う場合や、コストを抑えたい場合に便利。
既存システムとの連携
API、埋め込みチャットウィジェット、TypeScript/Python SDKが用意されていて、既存のアプリケーションに組み込むのも簡単です。作ったAIフローをそのまま本番に持っていける。
インストール方法
インストールは驚くほど簡単です。Node.jsが入っている環境なら、以下のコマンドだけで起動できます。
npm install -g flowise
npx flowise start
これだけ。ブラウザで http://localhost:3000 にアクセスすれば、もうFlowiseのダッシュボードが表示されます。時短になるのは間違いない。
Dockerで動かす場合
docker run -d --name flowise -p 3000:3000 flowiseai/flowise
永続化したい場合は、ボリュームをマウントしてください。
docker run -d \
--name flowise \
-p 3000:3000 \
-v ~/.flowise:/root/.flowise \
flowiseai/flowise
本番環境へのデプロイ
AWS、Azure、GCP、Railway、Render、HuggingFace Spacesなど、主要なプラットフォームへのデプロイガイドが公式ドキュメントに用意されています。
基本的な使い方
1. チャットフローの作成
ダッシュボードから「Chatflows」→「Add New」で新しいフローを作成します。
2. ノードを配置
左側のパネルから必要なノードをドラッグ&ドロップ。基本的な構成は以下の通り:
- Chat Model: OpenAI、Anthropicなど使用するLLMを選択
- Prompt Template: システムプロンプトを設定
- Memory: 会話履歴を保持する場合に追加
- Chain/Agent: 処理の流れを定義
3. ノードを接続
ノード同士を線で繋いでいきます。データの流れが視覚的にわかるので、どこで何が処理されているか一目瞭然。
4. テスト実行
右上の「Chat」ボタンをクリックすると、その場でチャットテストができます。
ユーザー: 今日の天気を教えて
AI: 申し訳ございませんが、私はリアルタイムの天気情報にアクセスする機能を持っていません。天気を確認するには...
5. APIとして公開
保存したフローは、自動的にAPIエンドポイントが生成されます。
const response = await fetch('http://localhost:3000/api/v1/prediction/{chatflowId}', {
method: 'POST',
headers: {
'Content-Type': 'application/json'
},
body: JSON.stringify({
question: 'こんにちは'
})
});
const data = await response.json();
console.log(data.text);
6. Webサイトへの埋め込み
チャットウィジェットをWebサイトに埋め込むことも可能です。
<script type="module">
import Chatbot from 'https://cdn.jsdelivr.net/npm/flowise-embed/dist/web.js';
Chatbot.init({
chatflowid: 'your-chatflow-id',
apiHost: 'http://localhost:3000'
});
</script>
実践的なユースケース
社内ナレッジベースのQ&Aボット
これは定番の使い方ですね。社内ドキュメントをベクトルDBに登録して、RAG(検索拡張生成)で質問に回答するボットを作れます。
新入社員の「これ、どこに書いてありますか?」を自動化できると、QOL上がること間違いなし。
カスタマーサポートの自動化
よくある質問への回答を自動化しつつ、対応できない質問は人間にエスカレーション。Human in the Loop機能があるので、完全自動化への不安も解消できます。
コード生成アシスタント
プロンプトを工夫すれば、特定のフレームワークに特化したコード生成アシスタントも作れます。「Next.jsのAPIルートを書いて」みたいな指示に対して、プロジェクトのコーディング規約に沿ったコードを生成させることも可能。
データ分析レポートの自動生成
CSVやExcelを読み込んで、AIに分析させてレポートを生成する。これもFlowiseで構築できます。定期的なレポート作成業務の時短になります。
注意点
良いことばかり書いてきましたが、正直なところ注意点もあります。
LLMの料金は別途かかる
Flowise自体は無料ですが、OpenAIやAnthropicのAPIを使う場合は、その利用料金がかかります。ガンガン使うと請求額が膨らむので、使用量のモニタリングは必須。
複雑なロジックには限界がある
ノーコードの宿命ですが、めちゃくちゃ複雑な条件分岐やカスタム処理が必要な場合は、結局コードを書いた方が早いこともあります。
とはいえ、8割くらいのユースケースはFlowiseでカバーできると思います。
ドキュメントは英語中心
日本語の情報はまだ少なめ。公式ドキュメントは英語ですが、UIは日本語に対応しているので、触っていれば大体わかります。
まとめ
Flowiseは「AIエージェントを誰でも作れるようにする」ツールです。
- ドラッグ&ドロップでLLMワークフローを構築
- 100以上のLLM、ベクトルDBに対応
- セルフホスト可能でコストを抑えられる
- API、SDK、埋め込みウィジェットで既存システムと連携
- マルチエージェント、Human in the Loopにも対応
30代になって思うのは、新しい技術をキャッチアップする時間って本当に限られているということ。Flowiseを使えば、コードを書く時間を節約しつつ、AIの可能性を探れます。
まずは npx flowise start で触ってみてください。5分で動きますし、ダメならすぐ止められます。
公式サイト: https://flowiseai.com GitHub: https://github.com/FlowiseAI/Flowise ドキュメント: https://docs.flowiseai.com
