はじめに
Markdownで文章を書くとき、どんなエディタを使っていますか。
VS Codeでプレビューを横に表示しながら書く人も多いと思います。ただ、正直なところ、ちょっと煩雑なんですよね。コードを書くためのエディタで文章を書くのは、なんというか、用途が違うというか。
そこで紹介したいのがMark Text。これ、Markdownを書くことに特化したシンプルなエディタなんです。
GitHubスターは52,000を超えていて、Markdownエディタとしてはかなり人気のあるプロジェクト。Windows、macOS、Linuxで動作するデスクトップアプリで、無料で使えます。
Mark Textとは
Mark Textは「A simple and elegant markdown editor」を掲げるオープンソースのMarkdownエディタです。
最大の特徴は**WYSIWYG(What You See Is What You Get)**なリアルタイムプレビュー。書いたそばから、見出しは大きく、リストはインデントされて、コードブロックはハイライトされる。プレビュー画面を別に開く必要がないので、書くことに集中できます。
ElectronとVueで構築されていて、クロスプラットフォームで動作。MITライセンスのオープンソースなので、完全無料で使えます。
特徴・メリット
リアルタイムプレビュー(WYSIWYG)
個人的にこれが一番の魅力ですね。Markdownを書きながら、その場でプレビューが反映されます。
従来のMarkdownエディタだと、左に編集画面、右にプレビュー画面という2ペイン構成が多いですよね。でもMark Textは単一画面でプレビューが完結するので、画面の横幅を有効に使えます。ノートPCで書くときなんかは、これ、意外と重要なポイント。
3つの編集モード
執筆スタイルに合わせて、3つのモードを切り替えられます。
- ソースコードモード: 純粋なMarkdownテキストを表示
- タイプライターモード: 現在の行が常に画面中央に
- フォーカスモード: 現在の段落以外を薄く表示
タイプライターモードは長文を書くときに本当に便利です。視線を画面の上下に動かさなくていいので、首が疲れない(笑)。30代になってから、こういう地味な快適さがQOL的に効いてきます。
豊富なテーマ
Cadmium Light、Material Dark、One Darkなど、複数のテーマが用意されています。ダークモード派にもライトモード派にも対応。
個人的にはMaterial Darkが目に優しくて気に入っています。夜中に書くことが多いので、暗いテーマは必須なんですよね。
幅広いMarkdown対応
- CommonMark: 標準的なMarkdown記法
- GitHub Flavored Markdown: テーブル、タスクリスト、取り消し線など
- 一部Pandoc Markdown: 脚注、数式など
数式はKaTeXで書けるので、技術文書にも対応できます。絵文字のショートコード(:smile: など)も使えます。
HTML/PDFエクスポート
書いたMarkdownをHTMLやPDFにエクスポートできます。レポートや提出用ドキュメントを作るときに便利。
画像の直接ペースト
クリップボードにある画像をCtrl+Vで直接貼り付けられます。スクリーンショットを撮ってすぐ貼れるので、技術ドキュメントを書くときの効率が上がります。
インストール方法
各プラットフォーム向けのインストーラーが用意されています。
macOS
Homebrewを使うのが簡単です。
brew install --cask mark-text
または、GitHubのリリースページから .dmg ファイルをダウンロードしてインストール。
Windows
Chocolateyを使う場合:
choco install marktext
Wingetを使う場合:
winget install marktext
または、GitHubのリリースページからセットアップウィザード(.exe)をダウンロードしてインストール。
Linux
各ディストリビューション向けのパッケージが用意されています。
# Ubuntu/Debian(AppImage)
# GitHubリリースページからAppImageをダウンロード
chmod +x marktext-*.AppImage
./marktext-*.AppImage
# Flatpak
flatpak install flathub com.github.marktext.marktext
# Arch Linux(AUR)
yay -S marktext-bin
ダウンロードリンク
すべてのプラットフォーム向けバイナリは、GitHubのリリースページから入手できます。
https://github.com/marktext/marktext/releases
基本的な使い方
1. ファイルを開く/作成する
起動すると空のエディタが表示されます。Ctrl+N(macOSはCmd+N)で新規ファイルを作成、Ctrl+Oでファイルを開きます。
フォルダを開くこともできて、サイドバーでファイル一覧を確認できます。ブログやドキュメントサイトのプロジェクトで複数のMarkdownファイルを管理するときに便利。
2. Markdownを書く
普通にMarkdownを書いていくだけ。特別な操作は必要ありません。
# 見出し1
## 見出し2
これは**太字**で、これは*斜体*です。
- リスト1
- リスト2
- ネストしたリスト
> 引用文
`インラインコード`
書いたそばから、見た目に反映されます。
3. 編集モードを切り替える
メニューバーの「View」から編集モードを切り替えられます。ショートカットキーも用意されています。
- ソースコードモード:
Ctrl+Alt+S - タイプライターモード:
Ctrl+Shift+T - フォーカスモード:
Ctrl+Shift+F
集中して書きたいときはフォーカスモード、長文を書くときはタイプライターモードがおすすめです。
4. 画像を挿入する
画像の挿入方法は3つあります。
<!-- 1. Markdown記法で指定 -->

<!-- 2. ドラッグ&ドロップ -->
<!-- 画像ファイルをエディタにドロップ -->
<!-- 3. クリップボードから貼り付け -->
<!-- スクリーンショットを撮ってCtrl+V -->
5. エクスポートする
File → Export からHTMLまたはPDFにエクスポートできます。CSSのスタイルも適用されるので、そのまま配布できるクオリティで出力されます。
実践的なユースケース
ブログ記事の執筆
これが一番多い使い方じゃないかと思います。HugoやJekyll、Next.jsなどの静的サイトジェネレーターでブログを運用している場合、Markdownでの執筆が必要になりますよね。
Mark Textならフォルダを開いて、過去記事を参照しながら新しい記事を書けます。フォーカスモードを使えば、書くことだけに集中できます。
技術ドキュメントの作成
コードブロックのシンタックスハイライトがしっかりしているので、技術文書を書くのにも向いています。画像のペーストが楽なので、スクリーンショットを多用するドキュメントも効率的に作成できます。
READMEやCHANGELOGの編集
プロジェクトのREADME.mdやCHANGELOG.mdを書くときにも使えます。VS Codeで書いてもいいんですが、Mark Textで書いたほうが完成形をイメージしやすいです。GitHub Flavored Markdownに対応しているので、テーブルやタスクリストも正しくプレビューされます。
日々のメモ・日記
軽量でサクサク起動するので、日々のメモや日記にも使えます。Notionみたいにクラウド同期はありませんが、ローカルファイルをDropboxやiCloud Driveに置いておけば、実質的に同期できます。
プライベートなメモを外部サービスに預けたくない人には、この運用が合っていると思います。
VS Codeとの比較
正直なところ、VS CodeでもMarkdownは書けます。でも、使い分けるメリットはあります。
Mark Textの強み:
- 書くことに特化したUI
- リアルタイムWYSIWYGプレビュー
- フォーカスモード、タイプライターモードの快適さ
- 起動が軽い
VS Codeの強み:
- 拡張機能のエコシステム
- Git連携
- コードと文章を同じエディタで扱える
- 検索・置換が強力
個人的には「コードを書くときはVS Code、文章を書くときはMark Text」という使い分けが良いと思っています。道具は用途に合ったものを使うのが効率的ですからね。
注意点
開発のペースはゆっくり
オープンソースプロジェクトなので、開発ペースは商用エディタほど速くありません。ただ、基本機能は十分に完成されているので、普通に使う分には問題ないです。
Electronベースなのでメモリは使う
Electronアプリなので、VS CodeやNotionと同程度のメモリは使います。古いPCだとちょっと重いかもしれません。ただ、最近のPCなら気にならないレベル。
日本語入力の癖
環境によっては日本語入力で若干癖があることがあります。気になる場合は、ソースコードモードで書いてから切り替えるという運用もありです。
まとめ
Mark Textは「Markdownを書くこと」に特化したシンプルで洗練されたエディタです。
- リアルタイムWYSIWYGでプレビュー不要
- タイプライター/フォーカスモードで執筆に集中
- 複数のテーマでダークモード対応
- Windows / macOS / Linux対応
- 完全無料のオープンソース
GitHubスター52,000超えは伊達じゃなくて、実際に使ってみると「ああ、これでいいんだよな」という感覚があります。機能を詰め込みすぎず、書くことに集中できる設計になっている。
VS Codeで不満なく書けている人は無理に乗り換える必要はありませんが、「文章を書くための専用ツール」を探している人には、一度試してみる価値があると思います。
公式サイト: https://www.marktext.cc GitHub: https://github.com/marktext/marktext
