はじめに
結論から言うと、BentoPDFは「PDFを編集したいけど、ファイルを外部サービスにアップロードしたくない」という悩みを解決してくれるツールです。
正直なところ、PDF編集ツールって選択肢が多いようで少ないんですよね。Adobe Acrobatは高いし、無料のオンラインツールはファイルをサーバーにアップロードする必要がある。契約書や社内資料を外部サーバーに送るのは、セキュリティ的にちょっと抵抗がある。
そんなときに見つけたのがBentoPDF。すべての処理がブラウザ内で完結するので、ファイルが外に出ることがない。これ、意外と理想的なんですよ。
BentoPDFとは
BentoPDFは、プライバシーを重視したクライアントサイドのPDFツールキットです。
特徴的なのは「100%ブラウザ処理」という設計。PDFファイルを選択すると、すべての処理がローカルのブラウザ内で行われます。サーバーへのアップロードは一切なし。ネットワークを監視しても、PDFデータが外に出ていないことを確認できます。
GitHubで6,000以上のスターを獲得しているオープンソースプロジェクトで、個人利用は完全無料。50以上のPDF関連ツールが揃っていて、だいたいのPDF作業はこれ一つでカバーできます。
特徴・メリット
1. 完全なプライバシー保護
これがBentoPDF最大の強みです。ファイルがサーバーに送信されないので、機密文書でも安心して処理できる。会社のセキュリティポリシーで外部サービスが使えない環境でも問題なし。
2. 50以上の充実した機能
PDFの基本操作から高度な処理まで網羅しています。
- 整理・管理: 結合、分割、ページ削除・並び替え、回転
- 変換: 画像→PDF、PDF→画像、Word/Excel変換
- 編集: テキスト編集、注釈追加、透かし挿入
- セキュリティ: 暗号化、パスワード解除、電子署名
- 最適化: 圧縮、修復、OCR(文字認識)
個人的には、PDFの結合と分割を一番よく使います。複数の請求書をまとめたり、不要なページを削除したりが数クリックで完了する。
3. 制限なしで使える
ファイルサイズや処理回数に制限がありません。他のオンラインツールだと「無料は1日3回まで」とか「10MB以上は有料」とかがありがちですが、BentoPDFはそういった縛りがない。
4. セルフホスト可能
Dockerで簡単に自前のサーバーに立てられます。社内ツールとして展開したい場合に便利。インターネットに繋がっていない閉じた環境でも使えます。
5. クロスプラットフォーム
ブラウザベースなので、Windows、Mac、Linux、iOS、Androidどこからでもアクセス可能。ChromeでもFirefoxでもSafariでも動きます。
インストール方法
オンラインで使う(一番簡単)
公式サイトにアクセスするだけで、すぐに使い始められます。
https://bentopdf.com/
サインアップ不要。ブックマークしておけばいつでも使えます。
Dockerでセルフホスト
自前のサーバーで運用したい場合はDockerを使います。
# Docker Hubから起動
docker run -p 3000:8080 bentopdf/bentopdf:latest
# または GitHub Container Registry から
docker run -p 3000:8080 ghcr.io/alam00000/bentopdf:latest
これだけで http://localhost:3000 でアクセスできるようになります。
静的ファイルとしてホスト
もっとシンプルにホストしたい場合は、リリースページからZIPをダウンロードして展開するだけ。
# ダウンロードしたZIPを展開後
cd dist
# Pythonで簡易サーバー起動
python -m http.server 8000
# または Node.js
npx serve
開発環境の構築
カスタマイズしたい開発者向け。
# リポジトリのクローン
git clone https://github.com/alam00000/bentopdf.git
cd bentopdf
# 依存関係のインストール
npm install
# 開発サーバーの起動
npm run dev
技術スタックはVite + TypeScript + Tailwind CSS。モダンな構成なので、カスタマイズもしやすいです。
基本的な使い方
PDFの結合
- 公式サイトにアクセス
- 「結合(Merge)」ツールを選択
- 複数のPDFファイルをドラッグ&ドロップ
- 順番を調整して「結合」をクリック
- 完成したPDFをダウンロード
ファイルをドロップしてから数秒で処理が完了します。10MB程度のPDFでもサクサク動く。
PDFの分割
- 「分割(Split)」ツールを選択
- 分割したいPDFをアップロード
- ページ範囲を指定(例: 1-3, 5, 7-10)
- 「分割」をクリック
特定のページだけ抽出したいときに便利。
画像からPDFを作成
- 「画像→PDF」ツールを選択
- JPGやPNG画像を複数選択
- 順番を調整
- 「PDF作成」をクリック
スキャンした書類をPDFにまとめるときによく使います。
PDFの圧縮
- 「圧縮(Compress)」ツールを選択
- PDFをアップロード
- 圧縮レベルを選択
- 「圧縮」をクリック
メールで送るには大きすぎるPDFを軽くしたいときに。画質とファイルサイズのバランスを調整できます。
実践的なユースケース
1. 契約書や社内文書の編集
機密性の高い文書を扱うとき、外部サービスにアップロードするのは避けたい。BentoPDFならブラウザ内で完結するので、セキュリティ担当にも説明しやすいです。
2. 確定申告の書類整理
年度末になると大量のPDFを整理する必要が出てくる。領収書PDFの結合、不要ページの削除、ファイルサイズの圧縮など、一通りの作業がこれだけで完結します。
3. 社内ツールとしてのデプロイ
Dockerで簡単にセルフホストできるので、社内のイントラネットに展開可能。外部サービスが使えない環境でも、PDF編集環境を整備できます。
4. オフライン環境での作業
一度ページを読み込めば、ネットワークが切れても動作します。出張先やネット環境が不安定な場所でも作業を続けられる。
他のPDFツールとの比較
| 機能 | BentoPDF | Adobe Acrobat | iLovePDF |
|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 有料 | 無料/有料 |
| プライバシー | ○(ローカル処理) | △ | ×(サーバー送信) |
| 機能数 | 50以上 | 豊富 | 20以上 |
| セルフホスト | ○ | × | × |
| オフライン | ○ | ○ | × |
| オープンソース | ○ | × | × |
Adobe Acrobatは機能面では最強ですが、サブスクリプション料金がネック。無料のオンラインツールはサーバーにファイルを送信する必要がある。BentoPDFはその中間を埋めるポジションです。
まとめ
BentoPDFは「プライバシーを守りながらPDF編集したい」という、わりと多くの人が抱えている悩みを解決してくれるツールです。
個人的には、以下のような人におすすめ:
- 機密文書を外部サービスにアップロードしたくない人
- 無料でPDF編集ツールを使いたい人
- 社内にPDF編集環境を整備したいIT担当者
- オープンソースのツールを好む人
オープンソースで開発が活発に進んでいて、GitHubのスター数も順調に伸びています。まずは公式サイトで試してみてください。サインアップ不要で、すぐに使い始められます。
公式サイト: https://bentopdf.com/ GitHub: https://github.com/alam00000/bentopdf