はじめに
コードの断片をどこにメモしていますか。テキストエディタの空白ファイル、Slackの自分宛DM、あるいは付箋アプリ。どれも「とりあえず書ける」だけで、シンタックスハイライトもなければ、後で見返したときにどの言語のコードか分からなくなることもよくあります。
かといって毎回新しいファイルを作ってエディタで開くのは大げさすぎる。そんな「メモ帳とコードエディタの中間」が欲しいという悩みを、Heynoteはすっきり解決してくれます。
Heynoteとは
Heynoteは「A dedicated scratchpad for power users」を掲げる、開発者向けの専用スクラッチパッドアプリです。CodeMirrorやVue、Electronといった実績のあるOSSを土台に、テキストを「ブロック」という単位で管理できる点が最大の特徴です。
起動するとすぐに書き込める永続的なバッファが表示され、SlackやPRの下書き、APIレスポンスの確認、会議メモ、ちょっとした計算まで、あらゆる走り書きの受け皿になってくれます。
主な特徴
- ブロックベースの構造 - 1つのノート内をブロックで区切り、ブロックごとに異なる言語を割り当てられます
- 30以上の言語に対応したシンタックスハイライト - JavaScript、Python、Rust、SQL、JSON、Markdownなど、コードの可読性が段違いになります
- Prettierによる自動フォーマット - ブロック内のコードをその場で整形できます
- 計算機モード - Math.jsベースの数式評価や単位変換、通貨変換をブロック内で直接実行できます
- 複数バッファとタブ管理 - 用途ごとにノートを分けて、必要なときにすぐ呼び出せます
インストール
HeynoteはmacOS、Windows、Linuxに対応したデスクトップアプリです。公式サイト(heynote.com)から各OS向けのインストーラーをダウンロードできるほか、macOSではHomebrewでも導入できます。
# macOS(Homebrew)
brew install --cask heynote
Windows・Linuxの場合は公式サイトから配布されているインストーラーやAppImageを利用します。ノートの保存先は以下の通りです。
# macOS
~/Library/Application Support/Heynote/notes/
# Windows
%APPDATA%\Heynote\notes/
# Linux
~/.config/Heynote/notes/
基本的な使い方
インストールしてアプリを起動すると、すぐに書き込める1枚のスクラッチパッドが開きます。まずは適当にメモを書いてみましょう。
今日のタスク
- APIのレスポンス仕様を確認する
- レビューコメントに返信する
コードを書きたくなったら、ショートカットで新しいブロックを追加し、言語を指定します(Macは⌘、Windows/Linuxは Ctrl キーを使用します)。
Ctrl/Cmd + Enter 下に新しいブロックを追加
Ctrl/Cmd + L 現在のブロックの言語を変更
Ctrl/Cmd + N 新規バッファを作成
Ctrl/Cmd + Shift+P コマンドパレットを開く
たとえばJavaScriptのブロックを作ると、そのブロック内だけシンタックスハイライトと自動フォーマットが有効になります。
// このブロックだけJavaScriptとして扱われる
const sum = (a, b) => a + b;
console.log(sum(2, 3));
計算機モードのブロックでは、Math.jsによる数式評価がその場で行えます。前の行の結果はprevという変数で参照できるので、電卓アプリを開き直す手間がありません。
100 + 250
prev * 1.1
実践的なユースケース
Heynoteが特に力を発揮するのは、次のような「ちょっとした情報を一時的に、でも構造化して残したい」場面です。
APIレスポンスの確認
APIを叩いて返ってきたJSONをそのままJSONブロックに貼り付ければ、シンタックスハイライトと整形が効いた状態で確認できます。ターミナルの出力を目で追うより格段に読みやすくなります。
{
"status": "ok",
"data": {
"id": 1024,
"name": "sample-project"
}
}
SQLクエリの下書き
本番のクエリを書く前に、SQLブロックで試したい条件をラフに書き溜めておけます。
SELECT id, name, created_at
FROM projects
WHERE created_at >= '2026-07-01'
ORDER BY created_at DESC;
会議メモとToDoの併記
Markdownブロックで会議の議事メモを取りつつ、別ブロックで関連するコードスニペットを残す、といった使い方も自然にできます。用途ごとに新規バッファを作っておけば、後から見返すときも迷いません。
まとめ
Heynoteは「メモは取りたいが、コードとしてもきちんと扱いたい」という開発者特有のニーズにフォーカスしたスクラッチパッドです。ブロックごとの言語切り替え、自動フォーマット、計算機モードといった機能により、テキストエディタと電卓アプリと付箋アプリを行き来する煩わしさから解放されます。
まずは公式サイトからインストールし、普段のメモやAPIレスポンスの確認をHeynoteに置き換えてみてください。ブロックという単位に慣れると、手放せないツールになるはずです。
