はじめに
API開発やテストに使うクライアントツール、何を使っていますか?
Postmanは定番だけど最近重くなってきたし、アカウント必須になったのが個人的には気になるんですよね。Insomniaもいいけど、買収されてからちょっと方向性が変わった感じがする。
そんな中で見つけたのがYaakというAPIクライアントです。RustとTauriで作られていて、とにかく軽くて速い。しかもgRPCやWebSocketにも対応していて、モダンな開発環境にピッタリなんですよ。
今回は、この新しい選択肢について詳しく紹介していきます。
Yaakとは
Yaakは、REST、GraphQL、gRPC、WebSocket、Server-Sent Eventsに対応したデスクトップAPIクライアントです。
公式サイト: https://yaak.app GitHub: https://github.com/mountain-loop/yaak
技術スタックが面白くて、フロントエンドはReact + TypeScript、バックエンドはRustで書かれています。デスクトップアプリのフレームワークにはTauriを採用。この組み合わせ、最近のモダン開発者には刺さるんじゃないでしょうか。
特徴・メリット
1. 爆速・軽量
これ、使ってみるとすぐわかります。
Rust + Tauriの組み合わせなので、Electronベースのアプリと比べてメモリ消費が少なく、起動も速い。Postmanを起動するたびに「重いなぁ」と感じていた人には、この軽さは感動モノだと思います。
個人的には、この起動の速さだけでも乗り換える価値があると思っています。
2. gRPC対応
正直なところ、これが決め手になる人も多いんじゃないでしょうか。
マイクロサービスアーキテクチャを採用しているプロジェクトでは、gRPCを使うケースが増えてきています。でも、gRPCをサポートしているAPIクライアントって意外と少ないんですよね。
Yaakなら以下のプロトコルをすべて一つのアプリで扱えます:
- REST / HTTP
- GraphQL
- gRPC
- WebSocket
- Server-Sent Events (SSE)
3. オフラインファースト・ゼロテレメトリー
データはすべてローカルに保存されます。クラウドへの送信はゼロ。
Yaakのデータフロー:
ローカル → ファイルシステム → Git(任意)
↓
暗号化されたシークレット
APIキーやトークンなどの機密情報は暗号化されて保存され、OSのキーチェーン(macOSならKeychain、WindowsならCredential Manager)と統合されます。セキュリティに敏感なプロジェクトでも安心して使えますね。
4. Git連携
コレクションはプレーンテキスト形式で保存されるので、そのままGitで管理できます。
チームでAPI仕様を共有するときに、これがめちゃくちゃ便利。プルリクエストでAPIの変更をレビューできるようになります。
5. 豊富な認証オプション
実務で使うとなると、認証周りの対応は重要ですよね。Yaakは以下の認証方式に対応しています:
- OAuth 2.0
- JWT
- Basic認証
- Bearer Token
- APIキー
- AWS Signature v4
- カスタム認証(プラグイン)
OAuth 2.0のフローもGUI上で完結できるので、トークン取得の手間が省けます。
6. プラグインシステム
Node.jsベースのプラグインシステムを搭載していて、認証やテンプレートタグ、UIを拡張できます。
標準機能で足りない部分があっても、自分でカスタマイズできるのは嬉しいポイントです。
インストール方法
Mac、Windows、Linuxに対応しています。
ダウンロード
公式サイトからインストーラーをダウンロードするのが一番簡単です。
macOS
# Homebrewでもインストール可能
brew install --cask yaak
Postman/Insomniaからの移行
既存のコレクションがある場合は、インポート機能が使えます:
- Postmanコレクション
- Insomniaコレクション
- OpenAPI / Swagger
- cURLコマンド
移行コストを最小限に抑えられるのは助かりますね。
基本的な使い方
ワークスペースの作成
- Yaakを起動
- 新しいワークスペースを作成
- 保存先フォルダを指定
ワークスペースはフォルダ構造でリクエストを整理できます。プロジェクトごとに分けておくと管理しやすいです。
リクエストの送信
# シンプルなGETリクエスト
GET https://api.example.com/users
# ヘッダー付き
Headers:
Authorization: Bearer {{access_token}}
Content-Type: application/json
# POSTリクエスト
POST https://api.example.com/users
Body (JSON):
{
"name": "山田太郎",
"email": "yamada@example.com"
}
環境変数の活用
開発環境、ステージング、本番環境で変数を切り替えられます。
# 開発環境
base_url: http://localhost:3000
api_key: dev-key-xxxxx
# 本番環境
base_url: https://api.production.com
api_key: prod-key-xxxxx
環境を切り替えるだけで、同じリクエストを異なる環境に送れます。時短になりますね。
テンプレートタグ
動的な値を挿入できるテンプレートタグ機能があります:
{{uuid}}- ランダムなUUIDを生成{{timestamp}}- 現在のタイムスタンプ{{response.body.id}}- 前のリクエストのレスポンスから値を取得
リクエストチェーンを組むときに重宝します。
レスポンスの確認
JSONPathやXPathでレスポンスをフィルタリング・検査できます。大きなJSONレスポンスから特定の値だけを抽出したいときに便利です。
実践的なユースケース
1. マイクロサービスのAPI開発
gRPC、REST、GraphQLが混在する環境でも、一つのツールで完結します。
project/
├── services/
│ ├── user-service/ # gRPC
│ ├── payment-service/ # REST
│ └── search-service/ # GraphQL
└── yaak-collection/
├── user/
├── payment/
└── search/
サービスごとにフォルダを分けて管理すると見通しが良くなります。
2. WebSocketのデバッグ
リアルタイム通信のテストって、意外とツールが限られているんですよね。
Yaakなら WebSocket接続を張って、メッセージの送受信をGUIで確認できます。チャット機能やリアルタイム通知の開発時に重宝します。
3. チーム開発でのAPI仕様共有
# .gitignore に追加しないこと
yaak-collection/
コレクションをGit管理することで:
- 新メンバーがリポジトリをクローンするだけでAPIコレクションも手に入る
- APIの変更がプルリクエストで可視化される
- ブランチごとに異なるAPI仕様を試せる
QOL上がること間違いなしです。
4. OAuth 2.0のトークン取得
OAuth 2.0の認証フローをGUI上で完結できます。
- 認証設定でOAuth 2.0を選択
- クライアントID、シークレット、認証URLを設定
- 「Get Token」をクリック
- ブラウザでログイン
- トークンが自動的にYaakに保存される
手動でトークンをコピペする作業から解放されます。
Bruno との比較
同じくオフラインファーストのAPIクライアントとしてBrunoも人気ですが、Yaakとの違いを簡単にまとめると:
| 機能 | Yaak | Bruno |
|---|---|---|
| gRPC対応 | ○ | × |
| WebSocket対応 | ○ | × |
| 技術スタック | Rust + Tauri | Electron |
| プラグイン | Node.js | JavaScript |
| CLI | 開発中 | あり |
gRPCやWebSocketを使うなら Yaak、CLIでのCI/CD連携を重視するなら Bruno、という感じで使い分けるのもアリかもしれません。
まとめ
正直なところ、Yaakはまだ新しいツールなので、Postmanほどの機能の豊富さはありません。
ただ、以下の条件に当てはまるなら、試してみる価値は十分あると思います:
- Rust/Tauriの軽さと速さを体験したい
- gRPCやWebSocketを日常的に使う
- ローカルファーストでプライバシーを重視したい
- モダンな開発体験を求めている
- オープンソース(MITライセンス)を使いたい
30代になって思うのは、ツールは「自分の開発スタイルに合っているかどうか」が一番大事だということ。Postmanが合っている人もいれば、Yaakが合っている人もいる。
まずは試してみて、自分に合うかどうか確かめてみてください。起動の速さだけでも、一度使ってみる価値はありますよ。
公式サイト: https://yaak.app GitHub: https://github.com/mountain-loop/yaak
